引出結納について
三重郡・四日市地区
通常嫁入り道具を納める日に嫁方より婿方へ御本人様・御先祖様・御家族様への土産を持参いたします。
本人様への土産は背広・礼服・着物等を主に用い、場合によってはタイカフス等貴金属類をつけます。
御先祖様へは打ち敷き・線香等、御家族様へは主に身の回りの小物類を贈ります。
桑名・員弁地区及び愛知県全域
引出結納を持参します。これも通常道具納めの日に行います。
御結納時に婿方より頂戴しました結納金(小袖料)は、一割を御袴料とし、酒肴料は半額程度を諸白料として包みます。
いただいた品物の内、松竹梅等の飾り、三宝、箱、風呂敷等はそのまま使用します。
熨斗・末広・勝男などは紙の色を松葉色にあらためまして包みます。
宝船をいただいた場合兵子帯で作りました蓬莱山をお返しします。
土産等は三重郡・四日市地区と同様です。
道具納め手順
嫁方にて
仲人到着
仲人が到着しましたら、両親・本人は玄関まで出迎え、座敷まで案内します。
仲人宅まで迎えにいくのが正式です。
嫁入道具確認
荷物目録は広蓋に乗せ、掛ふくさを掛けた状態で嫁親より仲人に差しだし確認していただきます。
引出結納を持参する場合は結納目録金子も広蓋にのせます。
嫁親挨拶の一例
「本日はお忙しいところ誠にありがとうございます。こちらが嫁入道具目録(と御引出結納録)でございます。
どうぞお改め下さいませ。」
仲人は目録を確認の上、広蓋を風呂敷で包みます。
仲人挨拶の一例
「お嫁入道具確かにお預かり致します。準備が整いましたら出発させていただきます。」
出発
出発時に嫁方より仲人に御祝儀をお渡しします。
三重県北部では、結納時に宝船を頂戴した場合嫁入道具を積んだトラックの先頭に乗せて運ぶ習慣があります。
婿方にて
到着
嫁入道具が婿方に到着しましたら、婿親は玄関先まで出迎えます。
飾り付け
仲人は床の間の前に嫁方より預かってきた土産品・嫁入道具目録を飾ります。
引出結納をされる場合は、その結納品も飾ります。
この場合飾る時期は荷物を入れる前の方がよろしいのですが、通常は運び込んだ後に飾り付け、挨拶となります。
挨拶
受け渡し飾り付けが整いましたら、双方所定の位置に着席します。
この時各自扇子を前に置きます。座布団は使用しません。
仲人挨拶の一例
「この度は誠におめでとうございます。本日は吉日でございますので、ОО家より嫁入道具持参いたしました。
御引出結納をされる場合は、「御引出結納と嫁入道具持参いたしました。」となります。
何卒幾久しく御受納下さい。」
挨拶の後、目録の入った広蓋を婿親へ渡します。この時ふくさは掛けたままです。
仲人
「嫁入道具目録でございます。どうぞ御受納下さい。」
婿親
「御嫁入道具確かにお受けいたしました。
何もございませんが、後ほど一献さしあげたいと存じますのでどうぞごゆっくりおくつろぎ下さい。」
祝膳
受渡しがめでたく整いましたら、婿方では仲人に祝膳を出してもてなします。
準備ができるまで、昆布茶等を出して休憩していただきます。この時に座布団を出します。
受書受け渡し
祝い膳がお開きの際婿親より受書を渡します。
先ほど預かった広蓋に受書を乗せ、ふくさを掛けて渡します。
預かったふくさの裏が柄入りの場合は柄を上に、無地の場合は紋を上にします。